NPO法人トラストサルン釧路

サルンだより 148号 2026.7.21


★通常総会の報告
 6月14日に釧路市生涯学習センター「まなぼっと」において、特定非営利活動法人トラストサルン釧路の2026年度通常総会を開催しました。
 当日は会員本人の出席20名、書面表決7名、委任状提出112名で、総数139名の参加となり、総会の成立が宣言されました。
@議案第1号 2025年度の活動報告
A議案第2号 2025年度活動決算と監査報告
B議案第3号 2026年度の活動計画及び予算案
C議案第4号 定款の変え更について
D議案第5号 役員の選任について
(詳細な内容は省略)

★保護地が増えました!
 新年度に入り、6月までに16カ所の新規保護地ができました。釧路市街地と国立公園との間の湿原に11カ所、別保川流域で釧路市と釧路町にまたがる通称「貝
塚湿原」に1カ所、釧路町の遠矢駅北側の湿原に2カ所と南側に1カ所、達古武湖南側の山林に1カ所です。いずれも寄贈による保護地で国立公園の範囲外にあ
り、中には42ヘクタールという大面積の湿原もあります。この結果、保護地の数は100カ所を超え、総面積は724ヘクタールになりました。

 寄贈を希望する方との調整や取得の手続きで忙しい思いもしていますが、釧路町内の保護地近くではキタサンショウウオの産卵地も見つかるなど、うれしいことも
ありました。寄贈された方々に心から感謝申し上げるとともに、適正な管理に努めたいと思います。


★活動の報告
自然林再生活動
 達古武保護地で行われる自然林再生活動は、今年は3月から順次開始されました。

その他の活動
4月10日 釧路市役所の環境保全課から生物多様性地域戦略の構想について説明を受ける

5月3日 第50号保護地(塘路湖奥の44ha)とその周辺の生物調査を、標茶町博物館はじめ各分野の専門家により行なった。希少植物のカラフトグワイ、希少動物
のキタサンショウウオは確認できなかったが、タンチョウの繁殖と、多数のオジロワシなどが確認できた。


5月10日 第1回理事会を開催し、通常総会への提出議案等の審議を行なった。

5月13日 釧路市貝塚のトラストサルン事務所にて定時監査

5月17日 達古武保護地で湿原再生の森づくりを開催。参加者は16名と少なめだったが、少数精鋭で、今年は大きめの苗木を植栽した。植えこんだのはハルニレ
18本、ミズナラ3本、ヤチダモ3本、ハシドイ2本。食害防止用のツリーシェルターも使用した。最近は春が暖かいためか苗木の開葉が早く、植栽に適した期間が短く
なってきているようだ。


  

同日 子ども環境ネットワーク(京都)が釧路町遠矢の当会47号保護地周辺で開催した野外イベントに協力。釧路から親子連れが多数参加し、昆虫採集や湿地の
体験などを行なった。


6月14日 通常総会
同日 総会後に第2回理事会を開催し、理事長・副理事長の互選を行ない、理事長に黒澤信道、副理事長には松本文雄がそれぞれ再選された。

6月10日 北海道釧路総合振興局建設管理部道路維持課より、道道1060号線(通称コッタロ道路)の道路改良計画の説明と意見聴取を受ける。当会では以前よ
り、この道路が堤防となって湿原内の水の動きを妨げていると主張しており、維持課からは、道路下に通水できるような工夫を検討したいという答弁があった。


7月1日 釧路市役所環境保全課より、国立公園区域の拡張およびキタサンショウウオ生息地等保護区の設定に関しての進捗状況説明と相談

★湿原をめぐる動き
国立公園の拡張について
 環境省は、メガソーラー問題が大きな話題になったこともあって、釧路湿原国立公園の区域拡大を考えています。主に、公園の南側にある釧路市街地との間を
広く指定したい考えです。今年度中の制定を目指していて、素案ができた段階で公表し、パブリックコメントを求めることにしていると聞いています。

 いよいよ行政も動き出したことになり、今後に期待したいと思います。

釧路市は生物多様性地域戦略の策定を目指す
 生物多様性地域戦略は、生物多様性の増進を図るため、国が地方自治体に策定を求めているものです。釧路市はこれに応じて、釧路市としての地域戦略と、
特定生物として市の天然記念物でもあるキタサンショウウオについて「生息地等保護区」の設定を目指しています。

 キタサンショウウオは湿原の南寄りで国立公園外の湿地に多いと言われるため、生息地は開発され消滅する危険性が高くなっています。生息地等保護区に指
定されると、土地の改変が禁止されるなど湿原の保全に効果が期待されます。これも今年度中の制定を目指しています。


日本ナショナル・トラスト協会が鶴居村で保護地を取得
 釧路湿原の上流にある鶴居村では、大規模な太陽光発電施設(メガソーラー)を建設する業者が、タンチョウの集まる景勝地から見える丘陵地に計画を持ってい
ました。景観の悪化を憂慮した鶴居村がこの土地の取得に乗り出し、全国で自然保護地作りを進める同協会と共同で買い取ることができました。

 土地は7.5ヘクタール(鶴居タンチョウトラスト1号地)と16.8ヘクタール(同2号地)で、村と協会の共有名義となるため、今後もし村が方針転換を考えたとしても保護
地として維持されることになります。またこの隣地についても鶴居村が独自に取得しました。いろいろな形で釧路湿原の周辺の自然が守られることは喜ばしいと思
います。


★事務局より
コープさっぽろより森づくりに助成をいただきました
 何年にもわたり緑化活動への助成をいただいているコープさっぽろ様より、2026年度の自然林再生活動に対して助成金をいただきました。3月3日に授与式があ
り、黒澤理事長と石井理事が出席しました。全道各地をWEBで結んでの講演会もあり、新規助成を受ける2団体からは活動計画が発表されました。

 その後、釧路会場では懇談の時間が十分にあったので、助成を受けてトラストサルンが進めている自然林再生活動の内容や、メガソーラーに対する考え方など
をじっくりと聞いてもらえました。




 湿原内でのソーラー問題では、タンチョウやオジロワシなどの希少生物が計画地に生息しているかどうかに注目が集まりがちです。しかし湿原そのものの働き
は、それだけではありません。空気中の二酸化炭素を取り込んで泥炭として蓄えるという、化石燃料の消費とは逆の有用な働きをしていることを忘れてはなりませ
ん。

 他にも、水を貯えることで洪水を防ぎ、気候の緩和にも役立っていること、漁業資源を提供すること、観光やレジャーの対象となるなど、多くの機能を持っていま
す。そのような働きのある湿原を潰して、自然エネルギーの活用と言ってソーラーパネルを設置することは理屈に合わないと言えます。この説明は、出席した方々
から共感をいただきました。


保護地看板が修繕されました
 自然保護地の看板が3カ所、経年劣化による破損等で修繕または更新の必要がありました。このうち標茶町塘路の64号保護地、釧路市北園の20号キタサンショ
ウウオ保護地の2カ所の看板を、会員さんの巧みな修繕技術と皆さんの協力で、修繕することができました。敬服するとともに感謝申し上げます。釧路市北斗の12
号ヤチボウズ保護地の看板は、表記内容の変更を予定しており、更新を検討中です。





今後の活動予定
8月2日 アースデイ釧路に出展予定(釧路フィッシャーマンズワーフMOO隣のEGG)

8月6〜7日 釧路市による、国立公園拡張並びにキタサンショウウオ生息地等保護区の設定に関する説明会

9月30日 コープさっぽろの組合員活動で、当会の達古武保護地での自然林再生活動(植樹)に協力

10月2日 富士フイルムB.I.樺[数倶楽部との勉強会(場所は未定)

10月3日 秋の植樹祭「どんぐり記念日」を達古武保護地にて開催。作業に適した汚れても良い服装でご参加ください。9時に釧路町郷土資料館(公民館達古武分
館)前集合、昼まで。雨天の場合は翌4日に順延


11月8日 達古武沼水鳥観察会(野鳥の会釧路支部との共催)10時に達古武保護地看板前に集合し昼まで。年によっては寒いことがありますので、防寒具の用意
は必須


11月22日 くしろエコフェア2026「SDGでつなぐ地域と未来」に出展予定(釧路市中央図書館)

※会員等によるボランティア緑化作業は、晩秋まで随時行なっています。参加を希望される方はお知らせください。
※環境関連イベントへの出展では、会員さんの参加を期待します。ポスターなど展示の前で会の活動紹介に協力いただければ嬉しいですし、会場にいらっしゃるだ
けでも力になります。